
【重要】始められる時期が決まっています
スギ花粉の舌下免疫療法は、スギ花粉が飛んでいる時期には新しく始めることができません。添付文書で「スギ花粉飛散時期は新たに投与を開始しないこと」と定められているためです。
福岡県では例年、2月中旬までにスギ花粉の飛散が始まり、2月下旬からピークを迎えます。3月下旬から4月上旬にはヒノキ花粉のピークが重なります。
このため、新しく始められるのは、おおむね6月から12月頃までです。
来年の春に向けて始めたい方は、今の時期にご相談ください。年明けに思い立っても、次に始められるのは初夏まで待つことになります。
舌下免疫療法とは
花粉症の飲み薬や点鼻薬は、出てしまった症状を抑える治療です。効果は服用している間だけで、飲むのをやめれば元に戻ります。
舌下免疫療法は、原因となるスギ花粉の成分を含んだ錠剤を毎日少量ずつ舌の下に置くことで、体を花粉に慣れさせていく治療です。アレルギーの起こり方そのものに働きかけるため、治療が終わったあとも効果が続くことが期待されます。
ただし、すべての方に効 くわけではありません。また、症状が完全になくなることを保証する治療ではありません。目指すのは、症状を軽くすることと、花粉の時期に必要な飲み薬の量を減らすことです。
対症療法との違い
■ 飲み薬・点鼻薬(対症療法)
出ている症状を抑えます。効果は服用中のみ。花粉の時期だけ使います。すぐに効きます。
■ 舌下免疫療法
アレルギーの起こり方に働きかけます。毎日、3年から5年続けます。効果が出るまで数か月から1年かかります。治療後も効果の持続が期待されます。
両者は対立するものではありません。舌下免疫療法を続けながら、症状が強い時期には飲み薬を併用していただいてかまいません。
こんな方に向いています
・毎年、スギ花粉の時期がつらい
・飲み薬を飲んでも症状が十分に抑えられない
・飲み薬の眠気が仕事や勉強に差し支える
・毎年、花粉の季節だけ薬を飲み続けることに疑問を感じている
・数年かけてでも、根本のところから取り組みたい
始められない方・注意が必要な方
・過去にこのお薬でショックを起こしたことがある方(受けられません)
・重症の気管支喘息の方(受けられません)
・妊娠中の方、妊娠を希望されている方(新たに始めることは推奨されません。継続中の方はご相談ください)
・重い心臓の病気がある方、β遮断薬を服用中の方(アナフィラキシーが起きた際の治療に影響するため、慎重な判断が必要です)
・抜歯後や口内炎など、口の中に傷がある方(治ってから開始します)
・スギ花粉症であることが検査で確認できていない方(まず検査を行います)
当院で受けていただく意味
1. 初回の30分間を、急変に対応できる体制の中で
舌下免疫療法のお薬は、添付文書で「緊急時に十分に対応できる医療機関に所属する医師のもとで処方・使用すること」と定められています。ごくまれにショックやアナフィラキシーが起こりうるためです。初回のお薬は院内で服用していただき、その後少なくとも30分間、院内で経過を観察します。
当院は循環器内科の医院として、血圧・心電図モニターや点滴、救急対応の設備と経験を備えています。安全に関わる30分を、こうした体制の中で過ごしていただけます。
2. 院内薬局 ── 3年から5年、毎月のお薬を院内でお渡しします
舌下免疫療法は数年にわたって毎月受診が必要な治療です。当院は院内でお薬をお渡ししていますので、受診のたびに調剤薬局へ回る必要がありません。
なお、スギ花粉の舌下錠は現在、全国的に供給が不安定な状態が続いています。院内でお渡しできることは、この点でも利点になります。
3. 通いやすい診療時間
月・火・水・金は18時30分まで(最終受付18時)、土曜も15時まで診療しています。仕事帰りや学校帰りにも通っていただけます。駐車場は56台分あります。ウェブ予約もご利用いただけます。
3年から5年続ける治療では、「通いやすいこと」が続けられるかどうかを大きく左右します。
4. 検査から治療まで院内で
スギ花粉症であることを確かめるアレルギー検査(血液検査)も当院で行えます。他の医療機関で検査を受けていただく必要はありません。
治療の流れ
■ 01 ご相談・診察
症状、これまでの経過、ぜんそくなど他の病気、飲んでいるお薬をうかがいます。この治療が適しているかを判断します。
■ 02 アレルギー検査(血液検査)
スギ花粉に対するアレルギーがあることを確認します。2年以内に他の医療機関で受けた検査結果をお持ちであれば、それを使える場合があります。
■ 03 治療開始(初回のみ院内で服用)
初回のお薬は院内で服用していただき、その後30分間、院内で様子をみます。1週目は2,000JAUの錠剤、2週目以降は5,000JAUの錠剤に増量します。
■ 04 毎日ご自宅で服用
1日1回、決まった時間に服用します。
■ 05 月1回程度の通院
体調と副作用を確認し、お薬をお渡しします。これを3年から5年続けます
お薬の飲み方
■ 舌の下に置く
錠剤を舌の下に置き、1分間そのまま保持してから飲み込みます。かんだり、なめたりしないでください。
■ 飲み込んだあと5分間
うがい・飲食は控えてください。
■ 服用の前後2時間
激しい運動、入浴、飲酒は避けてください。アレルギー反応が強く出やすくなるためです。
■ 飲み忘れたとき
気づいたときに1回分を服用してください。2回分をまとめて飲まないでください。数日以上あいた場合は、次回の受診時にご相談ください。
■ 続けることが大切です
毎日続けてはじめて効果が期待できる治療です。自己判断で中断せず、続けられない事情があるときはご相談ください。
副作用について
よくみられるのは、口の中のかゆみ・腫れ、のどの違和感、耳のかゆみなどです。多くは服用開始から1か月以内に起こり、続けるうちに軽くなっていきます。
まれですが、ショックやアナフィラキシー(じんましん、息苦しさ、血圧低下など)が起こることがあります。このため初回は院内で服用し、30分間観察します。ご自宅で服用したあとに息苦しさ、強いじんましん、めまいなどが出た場合は、服用を中止してすぐにご連絡ください。
気になる症状があれば、次回の受診を待たずにご相談ください。
治療の期間と費用
■ 治療期間
3年から5年続けることが推奨されています。効果を実感できるまでには数か月から1年程度かかります。
■ 費用
健康保険が適用されます。3割負担の場合、お薬代は1か月あたり《円程度》が目安です(診察料・処方料は別途かかります)。薬価改定により変動します。
■ お子さんの場合
子ども医療費助成の対象となる年齢であれば、その制度が適用されます。
お薬の供給状況について
スギ花粉の舌下錠(導入用の2,000JAU製剤)は、需要の増加により全国的に限定出荷が続いています。
このため、新しく治療を始めていただく時期について、お待ちいただく場合があります。ご希望の方は早めにご相談ください。
舌下免疫療法以外の花粉症の治療
舌下免疫療法は数年かかる治療です。「今年の症状をなんとかしたい」「毎日の服用は難しい」という方には、次の治療を行っています。
■ 抗ヒスタミン薬の内服
くしゃみ・鼻水に効果があります。眠気の出にくいものを含め、複数の種類から体質と生活に合わせて選びます。
■ 点鼻ステロイド薬
鼻づまりに効果が高い治療です。全身への影響は少なく、継続して使えます。
■ 点眼薬
目のかゆみに用います。
■ 初期療法
症状が出る前、花粉が飛び始める2週間ほど前から飲み始めることで、シーズン中の症状を軽くする方法です。福岡県では1月下旬から2月上旬の開始が目安になります。
■ よくあるご質問
─── Q1 ──── [質問] 舌下免疫療法はいつから始められますか? [回答] スギ花粉が飛んでいる時期には新しく始めることができません。おおむね6月から12月頃が開始できる期間です。福岡県では2月中旬までに花粉の飛散が始まるため、年明けに思い立った場合は次の初夏までお待ちいただくことになります。来春に備えたい方は、秋のうちにご相談ください。 ──── Q2 ──── [質問] 内科でも舌下免疫療法を受けられるのですか? [回答] はい。舌下免疫療法は、所定の講習(アレルゲン免疫療法eラーニング)を修了した医師であれば、診療科を問わず処方できます。当院は内科・循環器内科の医院として、スギ花粉症の舌下免疫療法を行っています。 ──── Q3 ──── [質問] どのくらい効きますか。花粉症は治りますか? [回答] 症状を軽くし、花粉の時期に必要なお薬の量を減らすことを目指す治療です。症状が完全になくなることを保証するものではなく、効果には個人差があります。効果を実感できるまでには数か月から1年程度かかります。 ──── Q4 ──── [質問] 治療はどのくらい続けますか? [回答] 3年から5年が目安です。途中でやめると効果が十分に得られないため、始める前に生活のなかで続けられそうか一緒に検討します。 ──── Q5 ──── [質問] 毎日飲まないといけませんか。飲み忘れたら? [回答] 1日1回、毎日服用します。飲み忘れた場合は気づいた時に1回分を服用し、2回分をまとめて飲まないでください。数日以上あいた場合は次回受診時にご相談ください。 ──── Q6 ──── [質問] どのくらいの頻度で通院しますか? [回答] 治療が安定してからは月1回程度です。当院は院内でお薬をお渡ししますので、受診のあとに薬局へ回る必要がありません。 ──── Q7 ──── [質問] 副作用が心配です。 [回答] 口の中のかゆみや腫れ、のどの違和感がよくみられ、多くは1か月以内に起こって次第に軽くなります。まれにショックやアナフィラキシーが起こることがあるため、初回は院内で服用し、30分間院内で経過をみます。当院は循環器内科の医院として救急対応の設備を備えています。 ──── Q8 ──── [質問] 子どもも受けられますか? [回答] 《中学生以上》の方を対象としています。詳しくはお問い合わせください。 ──── Q9 ──── [質問] ぜんそくがありますが受けられますか? [回答] 重症の気管支喘息の方は受けられません。喘息が安定している方については、状態をみて判断します。まずはご相談ください。 ──── Q10 ──── [質問] 妊娠中・授乳中でも続けられますか? [回答] 妊娠中に新たに始めることは推奨されていません。すでに治療中に妊娠された場合は、続けるかどうかを含めてご相談ください。 ──── Q11 ──── [質問] ダニのアレルギーの舌下免疫療法もできますか? [回答] 当院で行っているのはスギ花粉症の舌下免疫療法です。ダニによる通年性アレルギー性鼻炎の舌下免疫療法をご希望の場合は、実施している医療機関をご案内します。 ──── Q12 ──── [質問] アレルギー検査だけを受けることはできますか? [回答] はい。スギ花粉に対するアレルギーがあるかを調べる血液検査を行っています。検査だけを希望される場合もご相談ください。 ──── Q13 ──── [質問] 費用はどのくらいかかりますか? [回答] 健康保険が適用されます。3割負担の場合、お薬代は1か月あたり《円程度》が目安です(診察料・処方料は別途)。お子さんは子ども医療費助成の対象となる年齢であれば、その制度が適用されます。 ──── Q14 ──── [質問] 予約は必要ですか? [回答] 診療時間内であればご相談いただけます。ウェブ予約もご利用いただけます。初回の服用日は30分間の院内観察が必要なため、時間に余裕のある日にお越しください。
